【File007】カラー講師 永浜景子さん

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カラー講師 永浜景子さん

《プロフィール》
1967年小松市生まれ。能美市で夫、2人の娘と4人暮らし。2007~2009年に夫の赴任先の上海に在住。その間にカラー教室で講師の資格を取得し、 上海や蘇州でアシスタントや講師として活動を始める。帰国後、2010年3月からカルチャースクール「ラ・グリーン」及び自宅でカラー教室を主宰。ベース カラー診断士、カラー講師養成、色彩検定対策など専門的講座のほか、一般向けの気軽な講座も企画している。似合う色を診断するカラー診断も随時受付中。 取得資格は、NPO法人色彩生涯教育協会認定講師、NPO法人色彩生涯教育協会認定カラーアナリスト、NPO法人色彩生涯教育協会認定ベースカラー診断 士、TCマスターカラーセラピスト。
■ブログ:「color de happy

インタビュー

気軽な習い事から開けた、夢への道

「カラーは、私が心から楽しいと思える世界。その素晴らしさを北陸のみなさんにもっとお知らせしたい」と永浜さん。

「夫の転勤」。それは、妻にとってはそれまでの環境や人間関係を一転してしまう出来事です。友人もおらず、頼れる人もいない環境、ともすれば、マイナス思考に陥りがちな状況で、永浜さんはキャリアの前髪をつかみます。それは"カラー"との出会いでした。

ご主人の転勤とともに移り住むことになった上海。周囲の転勤族の奥さんたちは、さまざま習い事で時間を費やしていました。なかでも、開講したばかりの「カラー講座」は大変な人気。永浜さんは、これまで習ったいくつかの習い事のように、気軽な気持ちで始めてみることにしました。「それなのに、知れば知るほど楽しくなって…カラーはそれまでの習い事とはどこか違っていました」。

長年探し求めていたものは、これだったと確信した永浜さんは、赴任期間を通してカラーを学び続け、講師養成の指導資格を取得。上海や蘇州でも講座を持ち、講師として一人立ちするまでになっていました。

「カラーは、私が心から楽しいと思える世界。その素晴らしさを北陸のみなさんにもっとお知らせしたい」と永浜さん。

2009年、石川県に戻ってからは、カルチャースクールや自宅でカラー教室を開講しています。カラーの専門家を目指す人向けの「ベースカラー診断士」や 「カラーアナリスト」の養成、そして、カラーを気軽に学びたい人のための入門講座がその内容。専業主婦だった永浜さんは目標とすべき夢を得て、今、羽ばた こうとしています。

色には明確な理論がある。そこが自分に合っていた

永浜さんが所属するNPO法人色彩生涯教育協会では、配色調和のスキルが身に付く「ベースカラー診断士」、個人に似合う色を判断する「パーソナルカラーアナリスト」のキャリア資格が取得できる。

結婚前は銀行員だった永浜さん。どちらかというと、数字や理論で説明できる"理由づけがあるもの"を信頼するタイプでした。「カラーを学ぶ前は、色はイメージ的、感覚的という印象がありました」。しかし、実際に習ってみると、色の分類や配色バランス、色の心理的効果などあらゆる点で徹底した理論が作り上げられた世界だったといいます。

「洋服やメイクの色も、なんとなく似合う、ではなく、きっちりとした理論で説明できる。だからスキルを身につければ、色に関わること全般に自信を持って提案できる」。そう気づいた永浜さんにもう迷いはありませんでした。指導者の資格取得のためには、色番号や色相環などの色彩論を暗記しなくてはなりませんが、まったく苦にならなかったと言います。

「学ぶことが楽しくて、毎日充実感に満ちていました」。カラーをもっと大勢の人に知ってもらい、社会や人のために役立てたい。そうした気持ちから、永浜さんは「カラー講師」という目標に向かって、まっしぐらに突き進むことができたのです。

カラーを人に社会に活かしたい

永浜さんのカラー診断では、診断後に似合う色の「ストール」と「カラー布」がプレゼントされる。常時、手元に置いていれば、いつでも”自分に似合う色”の確認ができて便利。

色のスペシャリストとなって痛切に感じるのは「社会にあまりにもカラーが活かされていないこと」だと永浜さんは語ります。

「服の販売員、美容師、ネイリスト、フラワーアレンジメントなど、色に関わる専門職の方にはもっとカラー理論を学んでほしい。コーディネートには、デザインと同様、カラーの知識は必須です」。そんな人たちのために、文部科学省が実施する「色彩検定」の対策講座も、今後大いに実践していきたいと永浜さんは考えています。

「カラー効果の大きさを表す話に、アメリカのケネディ大統領が選挙の際に紺のブレザー、赤いネクタイ. 白いシャツを身につけ"似合う色の効果"を使って高感度をアップさせた、という有名な逸話があります。

日本でも、近年は芸能人はもちろん政治家の方も、自分に似合う、好印象をアピールする色を身につけるようになってきました。きっとカラー診断やカラー講師のアドバイスを取り入れているのだと思いますよ」と永浜さん。

永浜さんのカラー診断では、診断後に似合う色の「ストール」と「カラー布」がプレゼントされる。常時、手元に置いていれば、いつでも"自分に似合う色"の確認ができて便利。

企業もブランド戦略のため、色を積極的に使い始めているそう。「もちろん、家庭や個人のファッションの中でも大いに活かすことができます。

例えば、子ども部屋を勉強しやすい環境にしたいなら、集中力を高め、リラックス効果のある寒色系に。食卓には、食欲をそそる暖色系をあしらうなど、ちょっとした工夫で環境を改善できるんです」。

人は、似合う色を身につけると、表情がいきいきとして、行動も前向きに変わってくる、と永浜さんは語ります。老人介護施設でお年寄りに似合う色でメイクしてあげると、目がキラキラと輝き始め、周囲の人も思わず「素敵ね、似合うね」と声をかけるそう。相乗効果でますます元気になっていく、その姿に思わず感動してしまうのだとか。カラーの心理効果の大きさを物語るお話です。

仲間と支え合い、さらなる夢を目指して

永浜さんの将来の大きな夢は、カラースクールの開校。「ファッション、メイク、カウンセリング、料理など、カラーに関わる実践的な知識が学べるトータルな拠点を作りたいんです」。

やりたいことを確実な歩みで実現している永浜さんですが、帰国後しばらくは落ち込む時期があったそう。「所属するカラー教室の卒業生はほとんど、関東・関西で活動する方ばかりで、北陸には私一人だったんです。こちらで開講するにあたっての相談相手がおらず、心細かったですね」。

始めたいのに情報がない、やり方がわからない、気持ちばかりが焦る日々が続きました。そして、仕方なくネットで、女性企業家の応援サイトを探しているうちに、偶然にも「ウーマンスタイル」を見つけたのです。「ホームページでの情報交換を通じて、北陸にもこんなにがんばってる女性起業家が大勢いるんだわ、とすごく励みになりました」。

永浜さん自身、ウーマンスタイル主催のイベントにも積極的に参加し始めると、さらに気持ちは前向きに変わっていきました。遠方の卒業生にもどんどん相談するようになり、教室の運営もスムーズに運び始めたのです。

「私のように一人で起業を考えている人は、起業家同志のつながりや地元の情報を必死に求めていると思います。ウーマンスタイルさんは、これからもそういう人たちの架け橋であってほしい。会員さんには、いろんなスキルを持つ方がおられるので、自己紹介とPRを兼ねて『ウーマン職業フェスタ』を開催しても面白いと思います」。

志はあっても、一人ではなかなか一歩を踏み出せないもの。専業主婦の経験がある永浜さんだからこそ、仲間との出会い、人と支え合うことの大切さが人一倍わかるのでしょう。ネットワークと同志を得て、未来を語る永浜さんの瞳は「夢を必ず実現させる」という確信に満ちていました。

ある1日の過ごし方

06:00
起床、朝食・お弁当作り
07:00
家族の送り出し
08:00
家事全般
10:00
仕事の準備
12:00
昼食
13:00
仕事へ
16:00
帰宅
16:30
買い物、夕食作り、子供の送迎など
18:30
子供と夕食・団らん
21:00
夫の夕食準備・団らん
22:00
お風呂、夫とDVD鑑賞
00:00
就寝

わたしのお気に入り

ヒマラヤ岩塩で作ったキャンドル

最近お気に入りの癒しグッズ。 岩塩の中にアロマキャンドルを灯して、"視覚&香り"のダブル効果を楽しんでいるそう。

カラーセラピー

「カラーを使って、気持ちが前向きになるお手伝いを」と、2010年に「カラーセラピスト」資格も取得。14本のカラーボトルでカウンセリングを行うシステムで、この夏からカウンセリングを実施中。

お仕事道具

カラー布やテキストなど教室に使うツールは、かなりのボリューム。永浜さんは、その一式が入ったキャリーバックでどこでも移動します。

(文・写真 塩田陽子)