TOP > 私の扉 > File003

File003 プログラマー 山田紀子さん

「好き」だから飽きない もっと先に行きたくなる

リビングのパソコン周りがお仕事スペース。ここに座るとすぐに集中できる。朝、パソコンの電源を入れることから、山田さんの仕事は始まります。これから子どもたちを保育園に迎えに行くまで、リビングが仕事部屋。パソコンに向かい、プログラム言語を駆使しながら、仕様書どおりのソフトを作り上げる作業に長時間没頭します。
じっとパソコンを見つめている単調な作業に見えますが、彼女の頭の中には論理的思考が駆けめぐっています。「本来、飽き性なんですが、プログラミングの仕事はそれぞれ違うので何年やっても飽きないんです。そこが好きな理由かな」。日々進歩するシステム業界にあって、まるで変化の波を楽しんでいるようです。
パソコンには学生時代から興味があり、それに関わる仕事をしたいと思っていた山田さん。念願かなって入社したソフトウエア会社では、会計系のプログラムに必要なCOBOL言語を習得しました。
「短大では国語国文科を専攻。同期には学校でCOBOLを勉強してきた人たちもいたので不安でした。でも経験より好きという気持ちが勝る人のほうが、最終的には強いですね」。水を得た魚のように知識を吸収した彼女は、3年後さらなるレベルアップを目指して転職することになりました。

「残業のない会社」探しが在宅ワークのきっかけに

必須モットーは「納期厳守」。自己理由で遅れそうになる場合は徹夜でカバーすることも。転職した会社には7年勤務。目標としていたC言語も学べ、仕事も充実。社内環境もよく、とても居心地がよかった、と山田さんは語ります。さらに、この時期は彼女の人生の転機が続きます。正社員となった年の秋に結婚、新婚旅行後にご主人が同じ会社に入社、翌年には第1子出産と、怒涛のように変化が訪れたのです。
公私共に順調だった山田さんですが、出産後はやはり厳しい現実に直面せざるを得ませんでした。当時のソフトウエア業界は、深夜残業は当たり前、納期前には徹夜というハードな勤務実態が常識。ご主人と協力しながら、子育てと仕事を両立させようとがんばっていた彼女でしたが、あまりの厳しさに、とうとう続けていけない状況に追い込まれました。
「もうこれ以上やれない。残業のない会社を探そう!」。山田さんは退職を決意しました。次に見つかった会社は小松市。遠距離通勤になるはずでしたが・・・。なんと幸運なことに会社側が「週2、3回短時間勤務をすれば、残りは在宅でやってくれればいい」と申し出てくれたのです。これが山田さんの契約社員としての「在宅ワーク」の始まりでした。


必要な言語はその都度、独学で習得。「仕事になれば必死!なんでもマスターできます。」フリープログラマーとしていよいよスタート!

契約社員となって3年目の'03年には双子の男児を出産。目の回るような育児に追われていた山田さんにとって、時間の融通の利く在宅ワークは、ほんとうに快適な「働き方」でした。在宅仕事に目覚めてしまった彼女は、'05年にとうとう独立。自宅でプログラミング業務を請け負う「ゆのそふと」を開業しました(※「ゆの」とは、女性を守ってくれるというローマ神話の女神)。
とはいえ、独立したばかりの頃は仕事がなかったため、「いしかわSOHOプラザ」の人材バンクに登録。そこからまた縁が広がり、受注を請けるようになっていきました。最初は契約のやり方がわからず、請負金額は決まってしまっているのに、追加案件が続き、いつまでも終わらないという仕事をしてしまったことも。それ以来、契約時に納期や費用、追加が出た場合の対処法などをしっかり確認しておくようにしたそうです。

このページの上へ

夫はベストパートナー 気負わずお互いが出来ることをやる

山田さん、ご主人、長女の共通の趣味はマンガ。本棚にはあらゆるジャンルがすらりと並ぶ「自分はフリーに向いている」と山田さんは言います。「パソコンにずっと向き合っているという点では、勤務していた頃と同じ。わからないことは発注元の担当者に聞けるし、不便はないですね」。寂しくなったり行き詰まった時は、友人を誘ってのランチで気分転換。1人でいることが嫌いではないし、なにより時間を好きなように使えるのが魅力だそう。「ただ、子どもたちが帰ってくると、頭も空間も<仕事モード>から一気に<子育てモード>に切り替えないといけないんです。もしかしたら、その切り替えも、精神衛生上いいのかもしれませんね」と笑う山田さんです。
そんな彼女の大きな支えとなっているのがご主人。料理自慢で、毎朝の朝食、お弁当、土日の夕食まで作ってくれるそう。そして、男の子2人のお風呂もご主人担当です。「ほんとうに感謝してます。主人は我が家の"宝"です」。山田さんのゆったりとマイペース、おおらかな雰囲気の秘密はどうやら、この素晴らしいサポーターの存在にあるようですね。

仕事、ウーマンスタイル さまざまな形で社会とつながりたい

少し先の夢として山田さんが思い描くのは、主婦の在宅プログラマーたちを集め、チームで仕事をやってみたいということ。「ソフトウエア業界は残業が多いので、続けたいのに続けられなくなってしまったママプログラマーはきっと大勢いると思うんです。そんな人たちとのいい出会いがあれば、子育てが一段落ついた頃、一緒にお仕事できたらいいなと」。
子育て真っ最中の今は、このウーマンスタイルを通じて、いろんな社会参加をしてみたいとも語る山田さん。「モニターやセミナーなどを通じて、ふだん知り合えないような人の話が聞けたり、知識が学べたり、時には自分の思いやアイディアを活かせたり・・・そんなところってほかにないじゃないですか。仕事以外で社会とつながる場としてウーマンスタイルを活用していくとともに、これからも応援していきたいですね」。プログラマーとして16年、独立して5年目となる山田さん。自分の仕事にしっかりとした根を育ててきた人が持つ、「静かな自信」が心地よく伝わってくる方でした。

山田さんの暮らしの大事

 

お料理上手なご主人

「料理の腕には自信あり」のご主人。「好きな献立を食べたいから」とお弁当も手作りしてくれるように。材料から吟味した食事はお味も抜群!休日は子どものお昼ごはんもさっと作ってくれる。

スポーツクラブ

子どもを寝かせた後、週2回のペースで近所のスポーツクラブへ。日中、座りっぱなしの作業が続くため、心身のリフレッシュになる。

子どもたち

日々、元気パワーをくれるお子さんたち。双子の男の子たちは今年から小学生。苦労を分かち合う双子・多胎児サークルの仲間も大切な存在だ。

(文/塩田 陽子

Woman-Styleに参加するには、まずは会員登録を!

このページの上へ